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世界文化遺産・武当山の古建築物群

故宮と同列に讃えられた壮大な建築群

    武当山は映画「グリーン・ディスティニー」の舞台となった道教の聖地。もっとも興隆した明朝の時代には、この地に500もの建物がひしめいていたといい、今でも130か所ほどの古建築が残っています。その壮大な建築群は明の時代、「北の故宮、南の武当山」と讃えられていました。
    この地は昔から仙人を目指す人々が隠棲した場所です。ごつごつとした岩肌を見せる山に残る膨大な建築群たちを眺めれば、ここには確かに何か不思議な力があるのではないか、という思いがこみ上げてくることでしょう。
    湖北省にある標高1,612メートルの天柱峰(てんちゅうほう)を中心とする山で、太和宮(たいわきゅう)、紫霄宮(ししょうきゅう)など200もの道教建築が立つ道教の聖地です。元末期には戦火によって多くの建物が焼失しましたが、明の第3代皇帝成祖永楽帝が再建し、現在のような姿となりました。

世界遺産登録:1994年

武当山
 

武当山の古建築物群の位置および周辺情報


    湖北省の北部、西安と武漢の中間地点に武当山はあります。西安から約350キロ、車で約4時間ほどの距離です。また三国志の劉備ゆかりの湖北の街、襄樊からは車で2時間ほどです。
道教の聖地に残る地形を生かした寺院群です。

 
 

世界遺産に選ばれた理由

武当山
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  •      元代から清代にかけて、多くの宗教建築が作られた芸術の蓄積が評価され、1994年に世界遺産として登録されました。
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武当山の古建築物群の歴史及びエピソード

  • 武当拳発祥の伝説
  •      武当拳は太極拳などの武術をさすもので、明代に成立しました。武当山はその発祥の地だという伝説がありますが、そのお話は以下のようなものです。
  •      昔、武当山にはたくさんの道士たちが修行をしていたのですが、ここには獅子や虎、山賊も多く、危険な場所でした。
  • 武当山で修行をする張三豊という老人は、なんとか安心して修行できるようにならないかといつも考えていました。ある日この張老人が庭で休憩をしていると、
  • 白蛇とカササギが戦うようにじゃれ合っているのが目に留まりました。張老人が白蛇たちを追って行くと、いつの間にか美しい川のほとりにたどりつきます。
  • その川のそばではひとりの老人が拳法の修行をしていましたが、白蛇とカササギは老人の懐に飛び込み、その服の模様となってしまいました。
  • その老人は太乙真人という仙人でした。
  •      太乙真人の動きを見ていると、先ほどの蛇たちの動きと似ています。張老人がその拳法を教えてほしいというと、太乙真人は喜んで教えてくれました。
  • 張老人が拳法を学び終わった時、目が覚めました。今までのことは夢だったのです。
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  • 真武大帝と明朝
  •      武当山は道教の神である真武大帝が修行した場所として、信仰されています。真武大帝は明朝の護国神でもあります。なぜ、明ではこの神が重要視されていたのでしょうか。
  •      明の創始者は朱元璋です。彼がまだ皇帝でなかった頃、武当山で敵に追われ真武廟に身を隠したことがあります。無事に敵をやり過ごした朱元璋は皇帝になってから、
  • 自分を守ってくれた真武大帝に感謝して、新たな廟を建てました。後に明の3代皇帝である永楽帝は、真武大帝の化身であると称しさえしました。
  •      永楽帝が真武大帝の化身と称したことには理由があります。永楽帝は初め北方に封地を与えられました。その後、2代皇帝が各地の皇族を取り潰そうとしたときに
  • 永楽帝は反撃、2代皇帝を殺して3代目の皇帝となりました。永楽帝は皇帝の地位に就きましたが、主君を殺し、同族で皇位を争ったという事実が世に受け入れられないこと
  • を恐れました。その時に思い出したのが朱元璋が真武大帝に守られたという話です。
  •      永楽帝は北方から身を起こしました。真武大帝は北方を司る神です。自分が皇帝の権利を手にしたのは朱元璋を守った明の守護神、真武大帝がついていたからだ、
  • という理屈です。
  •      そこで永楽帝は30万人もの人間を動員して武当山に真武大帝のための宮殿を作り上げたのです。永楽帝は非常に優れた皇帝で、明は永楽帝の時代に最大の版図を
  • 得ましたし、鄭和の大航海が行われたのも彼の時代です。そんな彼の唯一の弱点が皇帝の位を簒奪した、ということでした。それを糊塗するために努力し、
  • 大きな功績を残したのかもしれません。

武当山の古建築物群の見どころ

  • 紫霄宮
  •       比較的保存の良い道教の施設。明の永楽年間に建てられたもので、緑の瓦と赤い壁の堂々とした建築群です。内部には元代から清代にかけて鋳造された、たくさんの銅製の神像や祭祀用の道具が置かれており、圧巻です。
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  • 玉虚宮
  •      明代の永楽年間に建てられ、武当山で最大規模の宗教建築と言われていた建築群です。残念ながら何度もの大火事や山津波により、多くの建築が破壊されてしまいました。当時は約525万平方メートルもの敷地に、72の建築物が存在していたといわれています。
  •      ちなみに中国の神怪小説『封神演義』の中では、2大陣営のひとつ「闡教」のトップである元始天尊の住む場所が「玉虚宮」とされています。
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  • 金殿
  •      こちらも明代の永楽年間に作られたものです。武当山の主峰である天柱峰の長城にあり、高さは約5.5メートルという宮殿式の建築物です。内部には鍍金の真武大帝像が祀られています。真武大帝像が永楽帝の時代に作られたとき、その像のデザインは永楽帝の姿に似せられたという話も伝えられています。
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